※この物語は、家の修理費を稼ぐために早朝パートへ行くことを決めた女の話である。
面接から半月が経った昨日、ようやく採用の電話があった。
正直この半月の間に、女のやる気は日に日になくなっていた。
しかし、働く準備をするうちに少しずつではあるが、やる気が戻ってきた。
いや。
むりろ、浮かれていた。
「えーっと。ペンでしょ~、Gパンのポケットに収まるメモ帳…メモちょ…あった!」
働く前から、420円の出費である。
「あー。外仕事だし、腕時計もあった方がいいかなぁ~…。あっ!!コレすっごいかわいい!」
女は、その時計を初任給で買うことに決めたのだった。

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